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校正の資格は独学でも取れる?独学におすすめの書籍などをご紹介

校正の資格は独学で取れるものなのか気になる人も多いと思います。今回の記事は、校正の資格を独学で取りたい人へ向けた解説記事です。

文章を取り扱う仕事がしたくて校正に興味があります!

でも未経験だから資格が欲しいところ…何を取ればいいのかわかんないし、そもそも独学で取れるのかなぁ。

Yamagami
Yamagami
お悩みですね?

校正といえば、一時期ドラマでも取り上げられたことがあって注目されている仕事のひとつですよね。

独学では難しい資格も多いですから不安になるのもわかります。

でも安心してください。校正は必要な資格は独学でも取得可能ですよ!

【今回の記事はざっくりまとめるとこんな感じ】

  • 校正は独学でも十分可能です。
  • 校正の資格は「校正技能検定」「校正士」の2つ
  • 資格の勉強で使えるテキストがあります。
  • 未経験者であれば資格があると強力です。

校正の資格は独学でも取れる?必要な資格もあわせてご紹介!

校正の資格は独学でも取得ができます。

なぜなら、校正に関する資格はいずれも通信講座で受けることができるからです。逆に言えば、通信講座以外での資格取得ができない資格でもあります。

校正の仕事で必要な資格は下記の2つです。

  • 校正技能検定
  • 校正士

それぞれの資格について解説していきましょう!

校正技能検定

詳細ページ公式ページ

校正技能検定は、原稿の誤字や脱字を漏れなくチェックできる証明となる資格です。

主催 日本エディタースクール(民間資格)
受験資格 【初級】各教育機関(大手前大学、実践女子短期大学、日本エディタースクール)において指定単位科目を修得した者【中級】①校正に関し、日本エディタースクール所定のコースを修了した者②校正に関し、各種機関で一定の実技訓練を受けた者、もしくは実務経験のある者③前各項規定に準ずる者として校正技能検定委員会において認定した者【上級】校正技能検定中級に合格した者
受験日程 【中級】7月と12月(年2回)【上級】3月(年1回)
受験料 【中級】8,800円(税込)[準中級は3,300円(税込み)]【上級】9,900円(税込)
合格率 【中級】35%~40%【上級】35%~45%
出題形式・範囲 【中級】
実技試験

  • 初校原稿引き合わせ
  • 実技Ⅰ:縦組原稿引合せ.原稿指定付き手書き原稿(またはPC のハードコピー)を印刷会社で文字入力など
  • 実技Ⅱ:横組原稿引合せ.原稿指定付きPC のハードコピー(または手書き原稿)を印刷会社で文字入力
  • 実技Ⅲ:縦組データ入稿の赤字確認と通読.指定付きPC のハードコピー(原稿整理の赤字を含む)とCD-Rを印刷所に入稿など

学科試験

下記の範囲から○×式および筆答式で出題

  • 校正作業に必要な知識
  • 用字用語に関する知識
  • 一般的知識

【上級】
実技試験

  • 実技Ⅰ:初校原稿引合せ・縦組原稿指定付き手書き原稿を印刷所で文字入力など
  • 実技Ⅱ:初校原稿引合せ・横組原稿指定付きPC のハードコピーを印刷所で文字入力など
  • 実技Ⅲ:再校赤字引合せ・素読み・縦組赤字入り初校校正刷と再校校正刷の,引合せと素読みなど

筆記試験

下記の範囲から○×式および筆答式で出題

  • 校正作業に必要な知識
  • 用字・用語に関する知識一般的知識

出典:日本エディタースクール「校正技能検定」

日本エディタースクールが主催の資格で、最初に取るべき初級は指定のスクールの修了が条件です。日曜日しか使えない人は日曜集中講座なども開催されていて、短期集中での試験勉強もできます。

しかし日曜日も通う時間がない、費用を節約をしたい人には通信講座の利用による独学ができます。

合格率は中級・上級ともに30%から40%を推移しているため、いずれも難易度はやや高めと言えるので対策は必要でしょう。

後半でご紹介しますが、対策テキストは主催元のエディタースクールが発行しているものがおすすめです。

校正技能を証明する数少ない資格のため、校正の仕事をしたい人は取得を目指してみてはいかがでしょうか。

スクールか独学、自分が進めやすいほうを選びましょう。

校正士(校正実務講座)

詳細ページ公式ページ

校正士は、検定は、原稿の誤字や脱字をチェックできるという証明になる資格です。

主催 一般社団法人 実務教育研究所(民間資格)
受験資格 実務教育研究所の構成実務講座を修了した者
受験日程 年6回(奇数月)
受験料 入学金5,000円/受講料40,400円(税込)
合格率 非公開
出題形式・範囲 在宅校正を想定し、締め切り日までに自宅で試験問題を校正して提出する実践的な方法で実施する。

①引き合わせ原稿と校正刷りを正確に引き合わせることができる技能

②引き合わせ原稿のない校正刷りを素読みで正確にチェックできる技能

出典:一般社団法人 実務教育研究所「校正実務講座」

校正士は、校正実務講座を受講して、自宅での修了試験に合格すれば取得できる資格です。こちらはスクールがないため、受講から受験まで全て在宅で完結します。

合格率が非公開のため難易度に関しても不明ですが、しっかりと通信講座を受けていれば合格できるレベルだと言われています。

合格すれば校正認定証書が交付され、校正士として活躍できるフィールドが広がります。

在宅校正を想定した試験のため、取得後は出版社はもちろん在宅でも校正の仕事ができるのが特徴です。そのため、結婚後の在宅ワークなどを考えている主婦の方にもおすすめできる資格ですね。

校正技能検定と校正士どちらが良い?

結論、どちらか片方持っていれば良いです。

いずれも校正に関する知識を有した証明となる資格であることに変わりはありませんので、就職や転職の際にどちらが有利とかはありません。

あえて区別をするなら、通学して講座を受けたいと考える人であれば校正技能検定を、通信講座のみを考えている人であれば校正士の資格取得を目指すと良いでしょう。

独学で校正の資格を取るなら!使える書籍6冊

校正の資格は通信講座があるため、独学でも取得ができるとお話しました。

独学で味方となってくれるのが、参考書籍です。
資格取得の学習に役立つ書籍を6冊をご紹介していきたいと思います。

  • 本の知識 本に関心のあるすべての人へ!
  • 校正記号の使い方
  • 実例 校正教室
  • 校正練習帳[タテ組編]
  • 校正練習帳[ヨコ組編]
  • 標準 校正必携

そして番外編ですが、もう1冊最後にご紹介したいです。

  • 熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集(講談社文庫)

本の知識 本に関心のあるすべての人へ


「本の知識 本に関心あるすべての人へ」は、出版や製本に関する基礎知識が網羅されている書籍です。やや専門的な内容もありますが薄く読みやすい本です。

実践的なテキストではありませんが、リーズナブルでコストパフォーマンスに優れています。まず本に関する知識をじっくりと深めたいという人におすすめです。

校正記号の使い方


「校正記号の使い方」は、「トル」「ツメ」など校正で使われる専門用語をわかりやすくまとめた本です。

校正に携わる人であれば持っておきたい教科書的な存在で、初心者からプロまでおすすめできる本です。

校正の資格取得をするための参考書としても十分使えます。

実例 校正教室


「実例 校正教室」は、校正に関する知識を網羅的に取り扱った書籍です。

縦書きと横書きそれぞれの実例が掲載されており問題集がついているため、独学で非常に役に立ちます。

校正練習帳[タテ組編]


「校正練習帳」は校正で実際に使われている校正記号を学びながら、練習問題を解いていく問題集です。

問題の数が豊富で、より実践的に校正という仕事を学べます。こちらはタテ組の文章を取り扱っているタイプです。

校正練習帳[ヨコ組編]


こちらは先ほどご紹介した校正練習帳のヨコ組バージョンです。

基本的な内容は同じですが、ヨコ組独自の赤字の入れ方などを学べるので、学習のために2冊とも使うのがおすすめです。

標準 校正必携


「標準 校正必携」は執筆や編集、校正に関わる人であれば読むことをおすすめする本です。

校正記号に関することのほか、校正に関するガイドラインが細かく記載されています。

校正の仕事をする人以外でも、執筆や編集などに興味がある人も勉強になる内容が満載です。

【番外編】熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集


「熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集」は、実際に出版社で校閲をしているプロが間違いやすい日本語についてまとめた本です。

問題集とかではないので実際の学習で使える書籍ではありませんが、はっと気づかされる間違った日本語が集約されていて、校閲の難しさに触れることができます。

あと、日本語の奥深さを知ることができ、読んでいて普通に面白い本です。

そもそも校正と校閲の違いって?

さっきから何度か「校閲」って出てきますが、校正と同じ認識で良いの?
Yamagami
Yamagami
よく校正・校閲はまとめて用いられることが多いですが、ぞれぞれチェックする対象が異なります!

「校正」と似ている言葉として「校閲」がありますが、両者の違いをご存じでしょうか。

文章の間違いを正すという意味ではどちらも同じ仕事ですが、チェックする対象が異なるため厳密には異なります。

校正は単純に文章の誤字脱字をチェックしますが、校閲は文章に矛盾がないか、情報が正しいかなどを見ます。

【校正】・・・文字の誤字や脱字をチェックする仕事。

【校閲】・・・記載されている情報が正しいのか、引用に間違いはないかなどをチェックする仕事。文章によっては高い専門性が求められることもある。

どちらも根気と集中力の必要な仕事ですね。
校正・校閲どちらも、今回ご紹介した「校正能力検定」と「校正士」の資格が生かせます。

実は未経験資格なしでも校正の仕事はできます

校正者は特別な資格や経歴が不要ですが、未経験者の場合は資格を持っていたほうが何かと有利です。

しかし、未経験者で資格を持っていなくても校正の仕事はできます。

これを聞くと、

資格なしで未経験って…何もアピールできないし無理だろ!

という人もいますよね。

でもぶっちゃけますが、未経験者で資格がなくても校正の仕事って案外あるんです。

それはクラウドソーシングサイトでの校正案件です。

既に出来上がった原稿に対して、本文を読みやすくしたり誤字脱字をチェックする仕事が、クラウドソーシングサイト上で多く募集されています。

中には「未経験OK」や「文章が好きならOK」といった募集もありますよ。

校正の仕事を探すときにおすすめは、コチラの2件です。

クラウドワークス・・・「編集・校正・リライト」で仕事検索をしてみましょう。

ランサーズ・・・「編集・校正」で仕事検索をしてみましょう。

クラウドワークスで安全に案件を探したいならこちらの記事が参考になりますので良かったらどうぞ。

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収入を得ながら校正の仕事ができるっておいしいと思います。

最初は安い単価でもどんどん受注して実績をつけながら校正のノウハウを学びましょう。

習うより慣れろ精神です。

どちらも登録は無料なので、どんな仕事があるのか探してみるだけいいかもしれませんね。

いやいや、私は企業に勤めたいんですよ

という人もいますよね。

でも、まずはクラウドソーシングで実績を積んでから企業に勤める流れのほうが効率良い場合もあります。

なぜなら……

  1. クラウドソーシングで実績を積む
  2. 仕事を貰いながら「校正技能検定」もしくは「校正士」の資格を取得する
  3. 出版社や新聞社の求人に応募する
  4. 実績と資格が評価されて、企業で校正を担当する

上記のステップでよりスムーズに校正者として企業に勤めることができるからです。

実績と資格さえあれば、それはもう立派な経験者ですよね。

まとめ

校正の資格取得は独学で勉強できるんですね!
Yamagami
Yamagami
校正は絶対に必要な資格がないからこそ、資格を持っている人が優遇される傾向にあります。

しかし、まずは小さくても実務で経験を積んでみるということが大事です!

資格がなくても校正の仕事はできます。

そのため、資格取得を視野に入れながらも、まずはクラウドソーシングやアルバイトなどで実績を積むのも全然アリですね。

今回の記事が校正の仕事に就きたい人の参考になれば幸いです。